この記事では語源pend(吊るす)に関連する英単語を紹介します。
目次から読みたい箇所をピックアップして読んでください。
- append /əpénd/ : 追記する
- appendicitis /əpèndəsάɪṭɪs/ : 虫垂炎
- appendix /əpéndɪks/ : 虫垂
- compensate /kάmpənsèɪt/ : 埋め合わせる
- depend /dɪpénd/ : 依存する
- dispense /dɪspéns/ : 分配する
- expend /ekspénd/ : 費やす
- independent /ìndɪpéndənt/ : 独立した
- pendant /péndənt/ : ペンダント
- pending /péndɪŋ/ : 保留中
- pendulum /péndʒʊləm/ : 振り子
- pension /pénʃən/ : 年金
- perpendicular /p`ɚːpəndíkjʊlɚ/ : 垂直の
- spend /spénd/ : 費やす
- suspend /səspénd/ : 停止する、停学させる
- suspense /səspéns/ : 不安感
append /əpénd/ : 追記する
appendの意味は「追記する」で、語源はad(方向)とpendere(吊るす)に由来します。何か大きなものの一部分としてくっついているイメージですね。appendは手紙に追記したり、本に注釈を加えるときなどに使われます。例えば経済学の本は読むのに相当な知識が必要なので、作者が本に注釈を添えておきます(The writer append a note to the book)。
appendicitis /əpèndəsάɪṭɪs/ : 虫垂炎
appendicitisの意味は「虫垂炎」で、語源はappendix(盲腸)とitis(炎症)に由来します。虫垂炎とは、大腸先端の虫垂という器官が炎症を起こす病気のことです。かつては化膿した虫垂が盲腸にくっついていたことから、盲腸炎と呼ばれていました。今でも略して盲腸と呼ぶことがあります。虫垂は現代では不要な器官なので、虫垂炎が重症の場合は虫垂を切除してしまうこともあります。またそのような手術を英語ではappendectomyと呼びます。語源のectomyは「外科的な切除」を意味し、anatomyやlobotomyなど医療用語で登場します。
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appendix /əpéndɪks/ : 虫垂
appendixの意味は「虫垂」で、語源はラテン語のappendere(ぶら下がる)に由来します。大腸(colon)の肛門の反対側には盲腸(cecum)という器官があります。虫垂はその先端にぶら下がっているミミズのような形の器官です。虫垂には善玉菌を溜め込む機能がありますが、食糧事情が改善した現在では無用の長物となっています。また虫垂は炎症を起こしやすく、そのような炎症は虫垂炎(appendicitis)と呼ばれます。
compensate /kάmpənsèɪt/ : 埋め合わせる
compensateの意味は「埋め合わせる」で、語源はcom(一緒)とpendere(重さを測る)に由来します。傾いた天秤の反対側に重りを載せて、釣り合いをとるイメージですね。compensateの原義は「マイナス部分を補って釣り合いをとる」で、損害を補償したり、弱点を長所で補ったりする場合によく使われます。例えば勤勉な新入社員は経験不足を補うために(to compensate for lack of experience)、熱心に働きます。ただ日常会話ではもっと簡便なmake up forの方が使われます。
compensateの二つ目の意味は「補償する」です。仕事のミスや災害などで生じたマイナスをお金で補って釣り合いを取ります。例えばブラック企業では従業員が自費で損失を補うことがありますが(Some workers compensate for the loss)、あれは違法です。また東日本大地震では巨大な津波により多くの家が倒壊しました。そのため政府は被害者に損害分の補償を行なっています(The government compensate the victims for the damage of the flood)。
depend /dɪpénd/ : 依存する
dependの意味は「依存する」で、語源はde(下)とpendere(ぶら下がる)に由来します。別のものにぶら下がって一蓮托生のようなイメージですね。dependは一つの要素が他の要素の影響を強く受けるときに使われます。例えばどれだけ素質のある子どもでも教育環境が悪ければ、良い大学に入ることも敵いません。よって子供の学力は親の収入に依存すると言えます(The academic ability of children depends on thier parents’ income)。また一人暮らしで住む部屋を決める場合、駅に近い場所ほど家賃が高くなります。このことから家賃は住む場所によって決まると言えます(Rent depends on where you live)。
dependの二つ目の意味は「頼る」で、同義語はrely, count, leanです。どれを使うにしても前置詞のonとセットで使います。弱い立場にある人間、会社、国などは自力で生き残るのが難しいので、他の手に頼る他ありません。例えば日本は資源に乏しい国なので、経済発展のために輸入に依存しています(Japanese economy depends on import)。
dispense /dɪspéns/ : 分配する
dispenseの意味は「分配する」で、語源はdis(外)とpendere(計る)に由来し、同義語はgive outとdistributeです。dispenseは多くの人に一定量の物を配るときに使われます。例えば災害が発生すると、ボランティアの人たちが被災者に支援物資を配ります(Volunteers dispense relief supplies to the victims)。自販機はボタンを押すだけで自動で飲み物を出してくれます(Vending machine dispenses a drink)。
また名詞形のdispenserは「紙コップや石鹸などを一定量出す装置」を指します。例えばシャンプーやリンスのヘッドを押すと一定量が出てくる容器はSoup dispenserと呼ばれます。またATMとは別に現金の引き出しと残高照会のみが行える機械は現金自動受払機(Cach dispenser)と呼ばれます。大きな容器の中に大量の飲み物が入っており、そこから蛇口で少しずつコップに注ぐ器具をdrink dispenserと呼びます。どのdispenserも少量を何度も配分しているという点で共通していますね。
expend /ekspénd/ : 費やす
expendの意味は「時間・労力・お金を費やす」で、語源はex(外)とpendere(計る)に由来します。expendは目的を果たすために多くの労力をつぎ込むときに使われます。例えば会計士や医者などの難しい資格をとるには、多大な労力をかける必要があります(You have to expend much effort)。またネットビジネスでも成功させるには、多くの時間を費やす必要があります(You have to expend much time in succeeding in internet business)。
また名詞形のexpenseは費やしたお金の金額、すなわち「費用」を意味します。expenseはお金を使う場面ならどこにでも登場する単語で、具体例で使うときには複数形にします。例えば堅実にお金を貯めたいのなら、生活費を削る必要があります(You have to reduce your living expenses)。教育費(educational expenses)や医療費(medical expenses)が上がると、私たちの生活を圧迫することになります。日本では訴訟費用(legal expenses)が高いので、弁護士を利用する人は意外と少ないです。
形容詞形のexpensiveもお金をたくさん使うことから、「高価な」という意味になります。例えば高級レストラン(expensive restaurant)に通い、高級車(expensive car)に乗ることは庶民の憧れでした。登山は意外とお金のかかる趣味です(Mountain climbing is an expensive hobby)。
independent /ìndɪpéndənt/ : 独立した
independentの意味は「独立した」で、語源はin(否定)とdependent(依存した)に由来します。independentはどこの団体・国からも影響を受けない状態を指します。例えばアメリカはかつてイギリスの支配下にあった植民地でしたが、独立戦争でイギリスに勝利し、独立国家(independent country)となりました。
pendant /péndənt/ : ペンダント
pendantの意味は「ペンダント」で、語源はpendere(吊るす)に由来します。ペンダントは首からぶら下げる装飾品の一種です。ネックレスは首周辺を飾るため、鎖だけとか真珠だけのものなどがあります。一方ペンダントの場合は吊り下げられた宝石部分がメインとなり、重みで鎖がVの字を描きます。
pending /péndɪŋ/ : 保留中
pendingの意味は「保留中」で、語源はpendere(吊るす)に由来します。宙ぶらりんになってどこにも落ち着いていない感じですね。
pendulum /péndʒʊləm/ : 振り子
pendulumの意味は「振り子」で、語源はpendulus(吊るされた)に由来します。振り子と言えば、まず振り子時計を想像する人も多いでしょう。振り子時計(pendulum clock)はかつて正確な時間を刻む時計として開発されていましたが、今ではクォーツ時計にその立場を奪われています。また振り子の原理は地震計やメトロノームにも使われています。
pension /pénʃən/ : 年金
pensionの意味は「年金」で、語源はpendere(計る)に由来し、同義語はannuityです。年金とは、老後に政府から一定額支給されるお金のことです。中でも国が主体となって運営している年金は公的年金(public pensions)と呼ばれ、日本の場合は国民年金(national pension)や厚生年金(employee’s pension insurance)が該当します。日本では65歳になると、年金を受け取ることができるようになります(You start to draw your pension)。
またpensionにはもう一つ「小さな宿屋」の意味もあります。pensionはhotelと比べて小規模で安価な家族経営の宿泊施設を指します。元々は年金生活をしている高齢者夫婦が自宅の空き家を利用して、安価で旅行者を泊めていたことに由来します。
perpendicular /p`ɚːpəndíkjʊlɚ/ : 垂直の
perpendicularの意味は「垂直の」で、語源はper(完全)とpendere(吊るす)に由来し、同義語はverticalとplumbです。静止させた振り子のように左右どちらにも傾かない様子を表します。例えば三角定規を使うと、きれいな垂直線(perpendicular line)を描くことができます。ロッククライミングは切り立った絶壁(perpendicular hill)を登る過酷なスポーツです。
spend /spénd/ : 費やす
spendの意味は「お金・時間を費やす」で、語源はラテン語のexpendere(お金を使う)の省略形に由来します。expendとほぼ同じ意味ですが、expendはフォーマルで、日常会話ではspendの方がよく使われます。人は毎日お金も時間も使うので、spendは日常的に見かけるはずです。例えば金遣いの荒い人はブランドのバッグに大金をつぎ込みます(Extravagent person spends a lot of money on brand-name bags)。フルタイムの労働者は平日に8時間を仕事に費やします(Full-time workers spend 8 hours on working in a weekday)。
suspend /səspénd/ : 停止する、停学させる
suspendの意味は「活動や資格を停止する」で、語源はsub(下から)とpendere(吊るす)に由来します。stopと同じ意味なのですが、suspendは企業活動や資格、会議などを停止するため、フォーマルな場面で使われます。例えば食品から毒物が検出された場合、その会社は食品の販売を停止しなくてはなりません(The company has to suspend sales of the foods)。ノートパソコンのサスペンドモード(suspend mode)はモニタの電源をオフにして、電力の消費を抑える機能です。
suspendの二つ目の意味は「停学・停職処分を受ける」で、通常受け身で使われます。例えば校則を破った学生は停学処分を受けてしまいます(Students who broke the school rules will be suspended from school)。
また名詞のsuspenderはズボンを吊るためのベルトを指します。サスペンダーはアメリカ英語で、イギリスではブレイシーズ(braces)と呼ばれます。サスペンダーはお腹の締め付けが少ないので肥満の人でも着用できるほか、シャツをずれにくくさせる役割もあります。
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suspense /səspéns/ : 不安感
suspenseの意味は「不安感」で、語源はsuspend(吊るす)に由来します。suspenseは小説や映画で生じる、続きが知りたくてたまらない気持ちを表します。例えばサスペンス映画(suspense movie)などで主人公がピンチに陥ると、「この後一体どうなるのだろう。早く続きが知りたい!(The suspense is killing me!)」と思うはずです。