この記事では語源hypo(下)に関連する英単語を紹介します。
目次から読みたい箇所をピックアップして読んでください。
hypochondria /hὰɪpəkάndriə/ : 心気症
hypochondriaは「心気症」を意味し、語源はhypo(下)とkhondros(軟骨)に由来します。昔は肋軟骨の下にある器官が原因で発症すると言われていたからです。心気症もといヒポコンドリーとは自分の健康状態を過度に心配する状態を指します。
hypocrisy /hɪpάkrəsi/ : 偽善
hypocrisyは「偽善」を意味し、語源はhypo(下)とkrinein(決める)に由来します。元々は人の動作を真似る行為でしたが、「人の良い部分を偽る」という意味に派生しました。例えば格差の是正を訴えている政治家が汚職や贈賄で捕まったら、それは偽善(hypocrisy)と言えます。神の存在を信じていないのに、祈りを捧げるのも偽善と言えます。
hypodermic /hὰɪpədˈɚːmɪk/ : 皮下の
hypodermicは「皮膚の下」を意味する形容詞で、語源はhypo(下)とderma(肌)に由来し、主に注射をするときに使われます。皮下注射(hypodermic injection)は表皮、真皮の下にある皮下組織に薬剤を注入することです。
合わせて読みたい
語源derm, dermi, derma (皮膚)の英単語の意味まとめ
hypoglycemia /hὰɪpoʊglɑɪsíːmɪə/ : 低血糖症
hypoglycemiaは「低血糖症」という意味で、語源はhypo(下)とglykys(甘い)とhaima(血)に由来します。低血糖症(hypoglycemia)とは血液中の糖分が過度に少なくなる状態を指します。症状は軽いものだと空腹感や倦怠感、重いものでは意識の消失などがあります。主な原因は薬によるインスリンの過剰な投与で、糖尿病患者が食事を抜いたりすると、薬が効きすぎて血糖が下がりすぎることがあります。
合わせて読みたい
hypotension /hàɪpoʊtɛ́nʃən/ : 低血圧症
hypotensionは「低血圧症」を意味し、語源はhypo(下)とtension(緊張)に由来します。hypotensionは医療用語なので、low blood pressureの方が通じます。低血圧になると体の隅々にまで血液が行き渡らなくなり、めまいや立ちくらみが症状として現れます。ただ高血圧と比べると、そんなに深刻な状態でもないので、気にする必要はないでしょう。
合わせて読みたい
hypothermia /hὰɪpoʊθˈɚːmiə/ : 低体温症
hypothermiaは「低体温症」を意味し、語源はhypo(下)とtherme(熱)に由来します。低体温症(hypothermia)とは体温が通常よりも低くなり、様々な症状を引き起こす状態を指します。人間は恒温動物(homeotherm)なので、多少の気温変化には耐えられますが、雪山の遭難などで体が冷えた状態が続くと、体の体温が通常よりも低くなってしまいます。
合わせて読みたい
hypothesis /hɑɪpάθəsɪs/ : 仮説
hypothesisは「仮説」を意味し、語源はhypo(下)とthesis(置く)に由来します。仮説(hypothesis)とは、まだ仕組みのわかっていない物理現象や仕組みに対する仮の説明のことです。真偽はともかく仮説を立てて(to build hypothesis)、実験や観察を通じてその仮説が正しいのかを検証します。仮説はあくまで仮なので常に正しいとは限りません。例えば、昔は地球の周りを他の惑星が回っているという天動説が仮説として主流でしたが、長い論争と研究の末地動説が認められるに至りました。ちなみに多くに人が正しいと思っている仮説がのちに間違っていると判明することを「パラダイムシフト」と呼びます。
hypothetical /hὰɪpəθéṭɪk(ə)l/ : 仮定の
hypotheticalは「仮定の」という意味の形容詞です。本物の状況ではないけど実際に起こりうるというニュアンスです。例えば仮想訓練などでは仮想敵国(hypothetical enemy)と戦い、実践に備えます。もし仕事の手順を間違えたらどうすれば良いか、担当の人間がいない場合はどうすれば良いか、など仮定の質問(hypothetical question)をしておくと、実際に困った状況に陥った時冷静に対処できます。