この記事では語源crat(支配)に関連する英単語を紹介します。
目次から読みたい箇所をピックアップして読んでください。
aristocracy /`ærɪstάkrəsi/ : 貴族政治
aristocracyは「貴族制」を意味し、語源はaristos(最善)とkratos(支配)に由来します。貴族制(aristocracy)とは、貴族が人民を統治する仕組みのことです。もともと貴族とは「最上の者」を意味し、戦争において勇敢な働きをする者にだけ与えられる名誉な称号でした。今となってはその意味合いも薄れ、生まれながらにして贅沢ができる特権階級を指す言葉となってしまいました。
autocracy /ɔːtάkrəsi/ : 独裁
autocracyは「独裁」を意味し、語源はauto(自分)とkratos(支配)に由来します。独裁制(autocracy)とは、個人や一つの政党が絶対的な権力を握り、民衆を統治する仕組みのことです。もともとは古代ローマで緊急時に独裁官が統治することを指していましたが、現代ではナチスや北朝鮮などの個人を抑圧し、他党を弾圧する統治形態を指します。
bureaucracy /bjʊrάkrəsi/ : 官僚制
bureaucracyは「官僚制」を意味し、語源はbureau(机)とkratos(支配)に由来します。官僚制(bureaucracy)とは、大規模な組織を管理するための支配システムのことです。規則の遵守が徹底され、指揮系統が上下関係がはっきりしているのが特長です。ルール厳守が厳しすぎて融通が利かない、他の部署を協力しないことなかれ主義などと官僚主義はよくマスコミや評論家の批判の的になります。
ただこれらは官僚制のデメリットではありますが、同時にメリットでもあるのです。一人一人に特別な対応をしていては、膨大な量の作業を処理しきれません。個人の裁量や自由を奪うことで、機械的な対応が可能になり、それが大きな組織を滞りなく動かしてくれるのです。
democracy /dɪmάkrəsi/ : 民主制
democracyは「民主制」を意味し、語源はdemo(民)とkratos(支配)に由来し、原義は「大衆による政治」です。民主制(democracy)とは住民が代表者を通さずに自分の意見を反映させる政治制度のことです。現在日本では、選挙で代表者を選んで間接的に政治に参加する間接民主制(representative democracy)が採用されています。
meritocracy /mèrətάkrəsi/ : 能力主義
meritocracyは「能力主義」を意味し、語源はmerit(業績)とkratos(支配)に由来します。能力主義とは(meritocracy)、能力の高い人が高い地位につき、組織や国を統治する仕組みのことです。昔の時代は、生まれによって地位が決められており、貴族(aristocrat)の子は貴族、農民の子は農民になる運命でした。しかしこのシステムなら貧しい出自の人でも出世できる可能性が開けてきます。歴史的に有名な例は、中国で採用されていた科挙です。ただ科挙は非常に難易度が高く、教育を受けさせるための経済的な余裕が必要で、受けられるのはやはり富裕層に限られていました。
plutocracy /pluːtάkrəsi/ : 金権政治
plutocracyは「金権政治」を意味し、語源はpluto(富)とkratos(支配)に由来します。金権政治(plutocracy)とは、金の力で政治権力を得ることです。選挙で当選するには相応の活動資金や広告資金が必要になりますが、行き過ぎると賄賂(bribe)や多額の政治献金(political contribution)など政治的な腐敗がはびこります。
theocracy /θiάkrəsi/ : 神権政治
theocracyは「神権政治」を意味し、語源はtheo(神)とkratos(支配)に由来します。神権政治(theocracy)とは、神官(priest)や僧侶(monk)が支配者となって、国を治める政治制度のことです。例えば、古代エジプトではファラオは神の子とされ、政治と宗教の両面から国を支配していました。